安全衛生管理体制

■ 通常の安全衛生管理体制

労働安全衛生法では、企業が自ら労働災害を防止する体制を作ることを促すため、
それぞれの規模にみあった安全衛生管理体制を構築することとしています。
通常の事業場では、総括安全衛生管理者を中心に体制を作ります。
そしてその指揮下に安全管理者衛生管理者を選任します
(事業場の規模によっては、このいずれか又は全てが選任不要です)。
規模が小さい事業場の場合はこれらの選任は不要で、安全衛生推進者または
衛生推進者という別の制度が用意されいます。
ここでは、これらについて簡単に説明します。


●総括安全衛生管理者
安全衛生に関する業務を統括管理する者です。
通常は事業主や役員、工場長、等といったその事業場を実質的に
取り仕切るような方が選任されます。
選任されるために必要な資格等はありません。
総括安全衛生管理者は、常用労働者の数が一定以上の場合のみ
選任することとされています。
その常用労働者数は、次のように事業の種類によって異なります。
  1. 建設業、運送業、清掃業、林業、鉱業
  2. ・・・常用労働者数100人以上

  3. 製造業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、
    各種商品卸売業・小売業、家具・建具・什器等卸売業・小売業、
    燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業
  4. ・・・常用労働者数300人以上

  5. 上記以外の業種
  6. ・・・常用労働者数1,000人以上
●安全管理者
総括安全衛生管理者が統括管理する業務の内、
安全に関する業務の技術的事項を管理する者です。
そのために安全管理者はいつも作業場を巡回し設備、
作業方法等による危険の防止措置を講じます。
安全管理者も選任義務があるのは一定の事業場です。
具体的には、上記の総括安全衛生管理者を選任するべき業種の
1か2を行う事業場で、常時50人以上の労働者を使用する
場合に選任義務が生じます。
安全管理者に選任される者には次の資格要件が必要です。
  1. 大学、高等専門学校(旧大学令による大学、旧専門学校令による
    専門学校を含む)で理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、
    その後2年以上産業安全の実務に従事した経験を有する者

  2. 高等学校(旧中学校令による中学校を含む)又は中等教育学校で
    理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後4年以上
    産業安全の実務に従事した経験を有する者

  3. 労働安全コンサルタント

  4. その他厚生労働大臣が定める者
●衛生管理者
総括安全衛生管理者が統括管理する業務の内、
衛生に関する業務の技術的事項を管理する者です。
衛生管理者は少なくとも毎週1回作業場を巡視し、設備や
作業方法、衛生状態に有害のおそれがあるときは、
労働者の健康障害を防止する措置を講じます。
衛生管理者は一定の資格を持った者から選任しなければ
なりません。必要な資格は業種によって次のようになります。
  1. 農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む)、
    電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、
     自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業
  2. ・・・第1種衛生管理者、衛生工学衛生管理者、
       医師、歯科医師、労働衛生コンサルタント

  3. 1以外の業種
  4. ・・・1の資格又は第2種衛生管理者

また、その事業場の常用労働者数が増えると、選任すべき
衛生管理者の数も増えます。
常用労働者数50人以上200人以下で1人以上
200人超500人以下で2人以上
500人超1,000人以下で3人以上、
1,000人超2,000人以下で4人以上
2,000人超3,000人以下で5人以上
3,000人超で6人以上の選任が必要です。
ただし、衛生管理者は資格要件が厳しいので、やむを得ない事情が
あるときは、所轄都道府県労働局長の許可を受けて、この規定に
よらないで良いという特例が認められる場合もあります。
●産業医
産業医は、医師の内で一定の要件を満たす者から選任します。
労働者の健康管理等を行います。また、少なくとも毎月1回は、
作業場等を巡視します。
事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることが
できる等の権限をもっています。
常用労働者50人以上の事業場で選任義務があります。
●安全衛生推進者・衛生推進者
安全管理者、衛生管理者の選任義務のない事業場の内、
常用労働者が10人以上50人未満の小規模事業場で選任されます。
上記の総括安全衛生管理者を選任するべき業種の、1か2を
行う事業場では安全衛生推進者を、それ以外の業種では
衛生推進者を選任します。
安全衛生推進者は、総括安全衛生管理者が統括管理する業務
(衛生推進者は、その内の衛生に関する業務のみ)を担当します。



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